

■合格体験記
□2012年 合格体験記
□2011年 合格体験記
□2010年 合格体験記
□2009年 合格体験記
・レジュメの活用例(T.Yさん)
□2008年 合格体験記
□2007年 合格体験記
□2006年 合格体験記
□2005年 合格体験記
■受講感想
□基礎・短答
□論文
合格体験記
凝縮塾の講座を受講して合格された方々、および西原講師に直接指導を受けて合格された方々に合格体験記を書いていただきました。
〔受験歴〕
受験歴:短答4回、論文2回、口述1回
年齢:33歳
職業:会社員
凝縮塾の受講履歴:凝縮論文対策講座(スタンダードコース):2007年12月〜
〔感想〕
<どんな勉強をしたか>
一年目の勉強開始時は、凝縮講座以外の予備校の基礎講座を利用して基礎を教えてもらいました。基礎講座時には仕事も忙しかったので、ほとんど復習をせずに、聞いているだけでした。1年目の短答は、記念受験でしたが、20点くらいだったと思います。
ニ年目には、さすがに20点の状況で勉強を続けていては合格はありえないと思い、独学で勉強していました。短答答練も受けましたが、合格推定点には程遠い点数で、本試験でも合格点−1点で涙を飲みました。
三年目に、仕事が調整しやすくなってきた事もあり、本気で勉強を開始しました。この年は、論文の勉強に焦点を当てて勉強をしました。
凝縮講座を開始したのもこの年でした。凝縮講座を受講開始するまで、私は基本レジュメを縮小コピーして繰り返して黙読して勉強していました。この勉強法は、今思えば、極めて生産性の悪いものでした。というのも、私の繰り返し黙読の際の目標は、例えば、1時間に10ページを読むというような生産性を重点に置いた目標でした。こうなると、1時間のうちに10ページを進む事になりますので、無理をしても、先に進む事になり、覚えるべき部分や言葉(キーワード)が何なのかが分からないままに先に進んだり、繰り返したりするようになります。答練でもあまりいい成績が取れた記憶がありません。
そこで、凝縮講座を始めて受講しました。凝縮講座が届いた後、29ページは全てスキャンしてデジタルデータにしました。デジタルデータにした後、覚えるべきキーワードをオレンジ色(赤だとチェックシートを通しても見える)にして、チェックシートを利用して記憶するようにしました。凝縮講座は短いのが特長です。1回まわすのに長い時間はかかりません。それでも最初は二週間くらいかかりましたが、だんだんと3,4日で特実意商の全てをまわす事ができるようになってきました。こうなってくると、記憶の定着率が前述の勉強方法と比較して全然違ってきます。答練でも、安定こそしませんでしたが、だんだんといい点数が取れるようになって来ました。論文に自信が持てて、短答の勉強に集中できた事を覚えています。
この年は、短答には合格しましたが、論文で特実A意匠B商標Bとなり不合格でした。
四年目は、短答が免除、論文に集中できたこともあり、あまり焦ることなく勉強しました。四年目は、講座はあまり受けず、それまで受講した講座の問題を、3回程度まわす事にしました。まわすと言っても、腱鞘炎になるのを防ぐために全文書きはほとんどせず、答案構成をした上でパソコンに打ち込んでいました。パソコンに打ち込むと後で採点できますし、腱鞘炎にもならないのでオススメです。
三年目から短答での条文の重要性に気づくようになりましたが、論文でも条文が重要だと気づいたのは四年目でした(正確には、西原先生が雑誌かWEBに書かれた文章から思いついたんだと記憶しています)。どういう点が論文で重要かというと、条文の番号を記憶する事です。条文の番号を記憶していたことは時間短縮になるという点で非常に役立ちました。文献公知発明⇒29条1項3号という回路が頭の中に入っていれば、条文を引かずに論文に書けます。条文を引かないで書けるだけで、相当な時間節約になりました。蛇足ですが、昨今の問題は長文になっていますので、特実の主要条文だけでも暗記することをオススメしたいと思います。
<合格の決め手は何か>
合格の決め手は、自分が設定した目標に対する執着心だと思います。
目標設定が妥当である事は前提にして、目標にどこまでこだわって自己管理が出来るかが合格(特に短期の合格は)を左右すると思います。仕事や趣味でも同じだと思いますが、試験に求められる能力を獲得するために、自分に足りない事をどの程度明確に具体化できるか、そしてそれをクリアする計画を立て、実施し、実施した事を評価し、修正しという繰り返し作業にどこまでこだわれるかだと思います。特許法を含めて産業財産権法は非常に良くできた面白いものだと思いますが、試験合格のための勉強は単調でつまらないものです。つまらないと思う勉強でも、自分の実力向上に資するものであれば最後までこだわってやることが合格の秘訣です。
<凝縮塾の講座をどのように活用したか>
凝縮講座は、3年目で利用しました。受講する前は、予備校に真面目に行っていなかったためか、キーワードという概念が理解できませんでした。それで、キーワードが重要だというコンセプトには非常に感銘を受けました。キーワードは、審査基準、条文の文言や青本の文言だったりするのですが、これを自分で凝縮するのは、面倒くさがりやの自分には論外の作業でした。それで、予め凝縮してくれているというこの講座に飛びついたのです。
届いた資料は本当に29ページでした。これまで勉強してきたことの一部がそこに出ていましたが、これらのキーワードが重要だという事は、それまでは教わった事はありませんでした。そこでキーワードの勉強を開始しました。活用方法は、上述の通り、デジタルデータにして、色を変えてチェックシートで繰り返し記憶することでした。しかし、人間わがままなもので、29ページだと逆に不安になるものです。私は、必要だと思われる部分はデジタルデータに加筆修正して活用していました。加筆したのは、主に判例です。修正したのは、覚えにくい部分をゴロにしたりしました。
<凝縮レジュメの優れている点>
1.集中しやすい
予備校の基本レジュメでは、一見全てがキーワードに見えるのですが、ここが落とし穴。実はキーワード以外のものの方がたくさん含まれています。キーワード以外のものがたくさん含まれていると、視覚的に様々な情報が入りますので、キーワードだけを(例え色分け等で識別できたとしても)注意する事はしにくくなります。その点、凝縮レジュメではキーワードのみが書かれていますので、集中できる効果があります。
2.自信になる
面白い事に、凝縮講座では私が得た最大のものは自信だったと思います。凝縮を勉強した後、安定した点数が答練で取れた訳ではありませんでしたが、それは暗記をキチンとしていないからという理由を明確に意識していました。短答後に、凝縮レジュメを暗記して復習をすればいいという自信が持てていたのです。短答後に何をすれば論文合格できるかに自信が持てないと、短答前でも論文の勉強に意識が行くかも知れませんが、それは教材が絞れていないからだと思います。教材が絞れていて、それが短答後に何度も回す事が出来るボリュームのものであれば、非常に自信につながります。
3.暗記がしやすい
繰り返しになりますが、凝縮レジュメは暗記をしやすい教材です。暗記は非常に効果がある勉強法だと思います。
暗記と理解は表裏一体です。理解していないキーワードでも、暗記していると問題に対処できます。答練でも、本番でも、問題は次の3つに分けられると思います。
@キーワードを暗記しており、かつ当てはめをした事がある問題
Aキーワードを暗記しいるが、当てはめをした事がない問題
B暗記も当てはめもした事がない問題
@の量を本番前にどれだけ増やせるかが試験勉強なのですが、とくに短期合格を目指すと量もこなせないので、@を増やす事には限界があります。そこで、Aの問題、つまり初見の問題が増えてくる訳です。暗記したキーワードが多ければ、初見の問題でも、当てはめはしたことはなくても、キーワードは吐き出せる訳です。暗記していれば、思い出したり無駄な事を考える時間は少なくなり、キーワードに当てはまる条件を問題文から拾う作業をする時間があり余裕ができます。
最後になりますが、西原先生には御礼申し上げます。先生のおかげで合格までの時間が短く済みました。

〔受験歴〕
受験期間:平成16年9月から
受験歴:短答5回(うち免除1回)、論文2回、口述1回
選択科目:免除(応用化学)
年齢:62歳
職業:無職
凝縮塾の受講履歴:凝縮論文対策講座(プレミアムコース):2008年8月〜9月
〔感想〕
[弁理士試験受験を目指した理由]
弁理士という職業のあることはすでに高校生のころから知っておりましたが、もともと研究技術者としての道を歩むことを希望していたため、理工系の大学・大学院へと進んだ後は化学メーカーに就職しました。メーカーでは望みどおり研究部門に配属され、研究の成果を特許として権利を取得するべく多くの明細書を書きました。やがて弁理士という仕事への興味が涌いてきましたが、会社での仕事の責任も増してきましたので、ほどなく受験への望みは失せてゆきました。
ところが、定年まで二年を切った平成十六年の夏に、試験制度が大幅に改定されていたこと(特に選択科目の免除)を知り、受験を決意しました。
[最終合格までの経緯]
勉強を開始してからの本試の結果は以下のとおりです。
平成17年:短答24点不合格(合格基準点41点)
平成18年:短答25点不合格(合格基準点37点)
平成19年:短答35点不合格(合格基準点39点)
平成20年:短答45点合格(合格基準点39点) 論文不合格 特実:D、意匠:E、商標:A
平成21年:短答免除、論文合格(※選択免除)、口述合格
[私の勉強法]
年齢と共に記憶力が衰えるといわれます。実際受験勉強中に「どうしてこんなに忘れるのだろう?」と思うことがしょっちゅうありました。自分の不勉強を棚に上げ、全てを年齢のせいにしたくはありませんが、それでも年齢のハンディを感じることは多々ありました。私にとりこの試験は忘却との戦いであり、いかに記憶を定着させるかの工夫の試行錯誤の連続でもありました。
1.短答試験
短答試験合格に四年を要した私に胸を張って披露できるような勉強法はありません。提供できるのは反面教師としての「べからず」集ばかりです。以下はその前提で述べさせていただきます。
イ)短答の勉強の基本は、「正しい理解に裏付けられた条文の暗記」に尽きる!
勉強開始間もない頃私は条文をファジーなレベルでしか覚えていなかったため、正解枝の絞込みが出来ずに低得点にあえいでおりました。
これを克服するべく、条文の読み込みを行いました。なお過去問を解く際には枝ごとに根拠条文を挙げて解くようにしました。また間違えた場合には四法対照条文集の関連条文に出題年次、問題番号を付しておきました。こうすることで条文の読み込みをする際に注意を喚起することができ、要件の定着が図れました。
ロ)苦手科目を残さない!
今後短答免除制度が定着するとボーダーが上がることも予想されます。そうすると苦手の法域を残したまま試験に臨むのは、それだけでハンディを負うこととなります。私の場合、PCTと著作権法が毎年後手ごてとなっておりました。短答最終合格年はこれらの不得意科目の勉強に早めに着手し(年明け頃)、苦手科目を克服しました。
2.論文試験について
論文試験は都合二回で合格できたことになりますが、短答よりも論文の勉強により多くの時間を割いたのは言うまでもありません。
イ)筆力アップについて
答練やゼミに参加している若い人にはいつも筆力(書くスピード)でいつも書き負けていました。筆力アップのため何度も全文書きを行いましたが、時間を割くわりには効果が感じられませんでした。このため筆力アップとしての全文書きはしませんでした。
これに代えて部分全文書き(論点ブロックの書き込み練習)は頻繁に行っておりました。例えば特許では職務発明規定の趣旨・要件・文言解釈、均等論、並行輸入、インクタンク事件、前置審査の流れ、意匠では意匠の類否判断、3条の2の趣旨(本試図星でした)、先出願による通常実施権の趣旨・要件、商標では小売等役務の導入趣旨、立体商標の類否判断、商品の小分け、防護標章登録制度の趣旨などを何度も流れるように書けるまで練習しました。この訓練は全文書きが億劫であった私には知識の定着と筆力の維持の二重の効果がありました。
ロ)題意把握力について
題意とは言うまでも無く問題の意味ですが、出題者の意図でもあります。つまり出題者が書いて欲しいと考えている論点を如何に適格に抽出するかが鍵となります。
私の場合、条文の理解を深め、論点や判例を多く知った上で、多くの問題に接する以外に題意把握力の向上はなかったように思えます。
ハ)答案構成力
合格した年に最も数多く行ったのがそれまでに収集したゼミや答練の問題の答案構成でした。答案構成を繰り返し行うことにより、答案構成に要する時間も減り、項目落ちは次第に改善されました。他方でなかなか矯正されない項目落ちもあぶり出されてきました。この解決策については後で述べます。
ニ)ビジュアルカード
論文答練の成績が低迷していた頃、記憶の定着のため、視覚の最大活用を図った「ビジュアルカード」を作成しました。修正加筆が出来るよう手書きでなくワープロとし、文字サイズ、文字や表のマス目の彩色にまでこだわりました。当カード作成には貴重な時間を費やしましたが記憶力の衰えた私の場合はプラスであったと考えております。
[私と凝縮塾]
初陣の論文試験で散々な目にあった後、秋のゼミ・答練の開始される前の八月、九月の期間を如何に有効に過ごすべきか思案していたところ、凝縮塾が目にとまりました。早速無料パンフレット「弁理士試験のエッセンス」を入手し、即座に入塾を決めました。と言うのも本試(平成20年)の失敗経験から、あの長文かつ多くの設問に対し筆力の乏しい自分が合格答案を書き上げるには簡潔記載をマスターすることが必須と思えたからです。
1.受講の感想
何よりも「キーワード凝縮レジュメ」と「答案構成パターンレジュメ」が役に立ちました。私の場合、自作のビジュアルカードによりキーワードの記憶は十分でしたが、答案を展開する際の簡潔記載のスキルが未だ身に付いていませんでした。この点「キーワード凝縮レジュメ」とその実践としての「答案練習」の模範答案は凝縮答案作成をマスターするのに大いに参考になりました。
また「答案構成パターンレジュメ」はその後の答練等での答案構成時間の短縮、項目落ちの防止に大いに役立ちました。
このほか、西原先生の教えは取り入れるべき点はすべて実行しました。その一つは「忘れ物カード」の作成です。ゼミや答練で繰り返し犯した項目落ちについては「忘れ物カード」に記録しておき、徹底的にモグラ叩きをしました。「漢字カード」も作成しました。瑕疵、毀損、重畳的、趨勢など、度忘れ防止のためです。筆記具についても、先生のように高いモンブランの万年筆は使いませんでしたが、確かに筆記具の選択は重要です。自分にあったボールペンに出会ったおかげで答練や模試でも指の疲れを最小限に抑えることができました。
2.受講の効果
凝縮塾受講後に始まった答練やゼミでは以前にも増して安定して良い点が取れるようになりました。項目落ちが目に見えて減りました。
本試(21年)の問題は昨年よりもスタンダードな内容であったため、落ち着いて取り組むことが出来ました。(もっとも意匠法問題T設問2の題意把握に苦労しました。)全科目とも必要事項をもらさずに、かつ簡潔に記載することを心がけました。但し特・実問題U(判例がらみ)については、論旨をしっかり丁寧に書きました。結果、全科目とも、一問題あたり三ページと四分の一の少量記載となりましたが無事合格することが出来ました。凝縮記載の効果が十分に生かされた結果だと思います。また「忘れ物カード」にリストアップしていた出願審査の請求(特48条の3)を特・実の問題Tで忘れずに記載することができ、減点を免れる(加点につなげる)ことができました。
論文の力は答案作成数がある量に達すると潜伏期間を経たように急に上がるようですが、私にとり凝縮塾がターニングポイントであったことは間違いありません。
[おわりに]
振り返れば長かった五年間でしたが、試験勉強を辛いと思ったことはただの一度もありませんでした。自分より遅れて勉強を開始しながらも先に合格して行った多くの人を見てその悔しさをばねに頑張ったからかも知れません。とにもかくにもゼミや答練を通じ、若い人のエネルギーをもらいながら勉強に励んだ五年間でした。
これまでお世話になったゼミの先生方、励ましとよい刺激を頂いたゼミの仲間たち、そして何といっても物心両面で私を支えてくれた妻に深く感謝いたします。
本当にありがとう。

〔受験歴〕
受験期間: 平成17年10月から
受験歴: 短答4回(うち免除1回)、論文4回、口述1回
選択科目: 理工II(免除)
年齢: 42歳
職業: 会社員
合格年次: 平成21年最終合格
凝縮塾の受講履歴:
凝縮論文対策講座(プレミアムフルコース2008年)
〔感想〕
私は、4回の受験経験のうち論文式試験で3回不合格となりました。以下、論文式試験の受験体験を中心に述べたいと思います。
1.受講のきっかけ
言うまでもなく論文式試験は弁理士試験の天王山であり、最難関資格ならしめる大きな関門です。特許・実用新案法、意匠法、商標法、トータルで6割以上得点するだけでは足りず、一科目でも極端に低い得点では、合格はおぼつきません。
ことに、平成19、20年度の特許・実用新案法では問題用紙裏表にビッシリと記載された長文の問題には面食らった受験生も多かったことでしょう。本試験では私もご多分に漏れず、問題文を読み、答案構成をしているうちに、あっという間に40分以上経過してしまい、異常な心理状態の中でまともに答案を書ききれませんでした。 一般に受験機関では答案を作成する際、要件定立、当てはめ、結論、と法的三段論法をとるように教えられます。確かに、法律答案として充実した答案を作成するためには正論です。現実には紙面や時間に制限があり常に愚直にこのような原則を守るわけにはまいりません。やはり、一定の内容は維持しながらも、問題文を読む速度、答案構成する速度、答案を書く速度を、上げざるを得ません。
そこで、平成20年の試験会場で貰った「凝縮」のパンフレットが目に入り、中だるみしやすい夏休みに受講した次第です。
2.凝縮論文講座のすすめ
凝縮論文講座では、問題別の解説と答案例を示した答案練習・解答の他、論点ごとのキーワード凝縮レジュメ、出題パターンごとの講義ノート、からなります。特にキーワード凝縮レジュメ、出題パターン主要な論点がコンパクトにまとまっており普段のインプット用レジュメとして非常に便利です。講義ノートでは、それらの内容から事案に応じて、どのように展開すべきか説明されています。基本書や他の受験機関のレジュメ集の膨大な分量に閉口している受験生にとっては、うってつけといえます。
答案練習・解答では答案に列挙すべき項目の配点表が示されており、落としてはならない項目と瑣末な項目との区別がつきます。合格には「当たり前のことを当たり前に書け」、「原則から例外へ」といわれますが、「当たり前のこと」とは、「原則/例外」とは、どのようなことか体得するにはよいと思います。
3.凝縮論文講座の利用法
もちろん、この講座を受講すれば終わりというわけではありません。そこで、私は次のように利用しました。
(1)キーワード凝縮レジュメ
このレジュメでは、主要論点ごとにキーワード部分に下線が付されています。項目ごとにキーワードを含めた形で暗記し、キーワード部分を一字一句落とさないように再現する練習を繰り返しました。キーワードや根拠条文さえ覚えてしまえば、概ねその論点を再現できるはずです。
また、講座では不足している論点、法改正の部分、その他、答練で書けなかった部分については、同じ方法で一覧表にまとめた自分専用のレジュメを作成しました。縮小印刷して常に携帯することで、時間のある時にこのレジュメを見て暗記しました。
(2)講義ノート
他の受験機関の答練の解答例では一問あたり3000字を超えるものも少なからずあり、これを手本にするのは流石に非現実的といわざるを得ません。しかし、講義ノートでは、典型的な事例ごとに解答として列挙すべき項目が箇条書き風に簡潔に挙げられています。そこで、分量の多い解答例を講義ノートにならって翻訳する作業を行いました。このような作業を通じて、項目ごとの優先度や、覚えたキーワードをどのように展開すべきか、勘がつかめるようになりました。また、項目ごとに記号や番号を付して、読みやすい答案作成する練習にもなったように思います。
(3)答案練習・解答
受験機関の答錬では点数の内訳が不明で、どこに不備があるか窺え知れない添削も、しばしばなかったでしょうか。私が特に注目したのは配点表です。与えられた問題文をみて答案構成する練習に用いました。ここで、挙げるべき項目、キーワードが含まれているかどうかを確認し、配点表をみて自己採点します。特に落とした項目・キーワードが多い場合は、必ず挙げられるようになるまで日を変えて練習します。こうすることで自分の陥りやすい思考パターンを改善することができます。
ここに挙げた活用法は、ある程度知識はありながらも、今ひとつ伸び悩んでいる方には試してみる価値はあると思います。注意点としては、答練を受けて知識の誤りに気づいたときや、知らない論点については常に資料をアップデートすることに心がけて下さい。
4.その他
仕事をもつ者にとっては勉強時間を確保することが難儀ですが、一定の勉強時間を決め、時間・場所を問わず勉強するツールを整えることをお勧めします。私の場合は、朝のほうが能率が上がるので毎日朝5時に起きて毎日レジュメや重要な条文を暗記し、通勤時間はICレコーダでその内容の音声を聞いていました。待ち合わせなどの細切れの時間もレジュメをみてキーワードを再現する練習をしました。また、昼休み中は毎日答案構成の練習をしました。こうして、工夫次第で勉強時間を捻出することができます。
私は最も合格しやすい年に合格することができましたが、弁理士試験は難関であることには変わりません。本当に生半可な勉強では不十分であることを思い知らされました。しかし、合格しようという強固な信念をもって、自分なりに工夫をしながらたゆみなく努力すれば必ず途は拓けます。
受験生の皆様のご健闘をお祈りします。指導して下さった講師の先生方にはこの場を借りてお礼申し上げます。

〔受験歴〕
受験期間:平成17年から
受験歴:短答5回(うち免除1回)、論文5回、口述1回
選択科目:著作権法
年齢:37歳
職業:特許事務所員
凝縮塾の受講履歴:
凝縮論文対策講座(スタンダードコース)
論文過去問攻略講座スタンダードコース3年分(解説講義あり)
春答練(論文編)スタンダードコース
〔感想〕
私は、4回連続で論文試験に落ちた後、2009年の1月に凝縮塾での受講を開始し、その年に最終合格することができました。以下、私の合格体験記を述べさせていただきます。
(1)受講するに至った経緯
私は凝縮塾にお世話になるまで、すでに論文に4回不合格となっており、しかも、4回不合格の後においても次年度に合格する自信などまったくありませんでした。また、4年たっても答練で合格点(60点)を超えることはほとんどなく、「来年こそは絶対に合格だ」と思いつつ、「こんな勉強方法でほんとに合格できるのか」という疑問もありました。
論文に4回連続不合格となった2008年の年末頃、今までの勉強方法を続けていたのでは来年も同じ結果になると思い、なぜ合格答案を書けないのか考えてみました。明確な答えはでませんでしたが、勉強の仕方が間違っていることは明らかでありました。それまでは、答練を受ける→模範答案をながめる→講評をながめる→それなりの反省→暗記すべき事項が見つかれば暗記、という実に中途半端な勉強を続けていました。また、市販の論文用教材や、各種受験機関で販売又は配布されている教材・レジュメもたくさん持っていましたが、「何を確実に暗記し」、「何を確実に理解し」、「どの判例を優先して暗記すべき」など、まったく分かっていませんでしたし、これらの点を整理してハッキリと指摘してくれる教材も持っていませんでした。その結果、長い間、「これをやって本当に合格するのか」という疑問を抱きつつ、各種受験機関から提供される「要点のつかめないボリュームたっぷりの教材やレジュメ」に振り回されてきたのであります。その上、インターネットで新たな情報を発見すると、教材を買い足すこともありましたし、答練会に行くたびに模範答案等のレジュメが配布されますから、教材やレジュメがどんどん増える一方で、論文の知識やテクニックはいつまでたっても中途半端といった状態でした。
そのような最悪の状況のなか、2009年のお正月に、電車の中で携帯電話をいじってネットサーフィンしていると、凝縮塾の合格体験記のサイトにたどりつきました。そのサイトにある合格体験記を読んでみると、私の長年の悩みを解消してくれる講座や教材が凝縮塾で提供されていることを知りました。迷うことなくすぐに、凝縮論文対策講座と論文過去問攻略講座を申し込んで受講しました。
(2)凝縮論文対策講座の活用方法
講座の活用方法は、講座資料に付属している西原先生のコメントと、凝縮塾のウェブサイトに掲載の合格体験記を参考にし、まずはキーワード凝縮レジュメの暗記から始めました。はじめのうちは、なんとなく暗記作業を続けていたのですが、Lの答練会で配布される模範答案に連続してキーワード凝縮レジュメの内容が記載されていたので、大変びっくりして「これはすごいレジュメだ」と再認識いたしました。たった29ページしかないのに、その内容が答練で立て続けに出題されることが私には不思議でなりませんでした(実際、合格年の本試にも出ました)。このような即戦力となるレジュメは、今まで見たこともありませんでした。その後は暗記によりいっそう熱が入り、キーワード凝縮レジュメをいつも携帯し、ひたすら暗記に努めました。なお、キーワード凝縮レジュメが大変優れた教材であることが分かったので、勉強仲間には凝縮塾を受講していることは内緒にしました(凝縮塾殿には大変申し訳ないのですが)。せこい話で恥ずかしいのですが、有効な資料が広く出回って、その記載内容が常識化することを恐れたからです(論文試験は相対評価ですから、ライバルの成績が上がると、自分が不利になります)。
また、凝縮塾の合格体験記に、「模範答案をノート一冊分以上手書きで書き写し先生の書き方を身につけました」というコメントがあったので、私もこれを真似させていただき、論文試験前2ヶ月程度、講義ノートと模範解答を模写してみました。特に、判例などが関係している講義ノート・模範解答については、暗記できるまで模写しました。やってみると、この模写と暗記の作業が非常に有効でありました。もっと早くからこの模写を始めればよかったと後悔したほど有効でありました。この模写作業により、原則→例外の流れやコンパクトな凝縮記載などを体で覚えることができました。また、凝縮レジュメに記載の判例を、事例問題で具体的にどのように使うか(当てはめを行うか)についても、覚えることができました。おかげで、合格年の特許法で悩むことなく的確に解答することができました。また、大変意外でありましが、口述試験のときに試験官から、特実と商標について「論文の成績は良いですよ」と褒められました(意匠は不明です)。このことには大変驚き、キーワード凝縮レジュメの暗記と上述した模写の成果だと思いました。なお、今年もし不合格であったら、早々に講義ノートと模範解答の模写を再開する予定でありました。
(3)キーワード凝縮レジュメ・模範答案の活用方法
上述のとおり、キーワード凝縮レジュメはたった29頁しかないので、無理なく暗記することができました。キーワード凝縮レジュメを一通り覚えると、「この理由付けや要件や判例は事例問題ではどのように記載するのか」という点がすぐに分かるように、講義ノートと模範答案の写しを該当ページに差し込んでおきました(なお、複製は私的使用の範囲にすべきです。友人やゼミ仲間に頒布すると、同レベル又はそれ以上のライバルが増え、相対的に自分のレベルが下がります)。さらに、暗記が進んでくるにつれて、審査基準の重要箇所や、答練会で配布されたレジュメの中で重要だと思ったもの、判例などを、キーワード凝縮レジュメの該当ページに差し込みました。このようにして、キーワード凝縮レジュメを『核』とする自分だけのオリジナルレジュメが作成されました。このオリジナルレジュメは、論文試験まで何十回もまわして暗記(特にキーワード凝縮レジュメ部分は完璧に暗記)するようにしました。なお、このとき作成したオリジナルレジュメは論文試験だけではく口述試験でも大変役に立ちました。
(4)論文過去問攻略講座の活用方法
論文過去問攻略講座の解答例を見て感じたのは、他の受験機関の解答に比べて短いということでした。それまでは、市販の模範答案集に購入して、論文試験の解答例を見ていたのですが、「こんなに長く書かないと合格できないのか」という絶望感みたいなものを感じていました。
しかし、過去問講座の解答例は、私にも十分に試験時間内に書けるボリュームでありました。そのため「答案構成がしっかりできれば自分にも合格答案が書ける」と思えるようになりました。つまり、ダラダラと書かれた長い答案が必ずしも良い答案ということではなく、答案構成がしかっりとしていてポイントを押さえた内容であれば長くなくてもよいということに気付きました。
また、本試で問われている事項について、どのように書けばコンパクトで要点を押さえた合格答案となるかを研究する上で、大変有効な教材となりました。
(5)論文試験後〜論文合格発表まで
長年の受験生活の間に論文試験に落ちることに慣れてしまっていたので、特に論文試験の見直しをすることもなく、8月のお盆まで怠けた生活を送っていました。
そんなとき、西原先生より「論文突破の可能性があろうとなかろうと、口述の勉強をしてはいかがでしょうか。その際、口述にも論文にも役立つ勉強をするのが有効です。具体的には、定義趣旨を理解暗記する、重要判例を理解暗記するのが有効です。どちらも口述にも論文にも役立ちます。」というメールが届いたのを思い出しました(受講生であれば送信していただけます)。たしかにそのとおりだと思い、お盆すぎあたりから、まずは、キーワード凝縮レジュメの暗記、趣旨の暗記、意匠・商標の審査基準の重要部分の暗記をはじめ、これを論文発表まで続けることにしました。これがやってみると、なかなかスムーズに進みません。たった1ヶ月半程度見ていないだけでも、多くのことを忘れているのです。結局、時間はかかりましたが、ある程度の事項を再暗記した段階で論文発表を迎えました。
(6)論文合格発表後〜口述試験まで
思いもよらない論文合格に大変びっくりしました。私の場合、選択科目(著作権法)も受けていたので、合格などあり得ないと考えていました。論文合格から2日程度は論文合格を喜んでいましたが、口述試験の内容を知るとかなり焦りました。しかし、論文発表前までキーワード凝縮レジュメを暗記していたことに、大変助けられました。キーワード凝縮レジュメには論文で役立つ知識が凝縮されているだけでなく、口述試験にも対応できる内容が凝縮されていたのです。これは口述の勉強をはじめた後に気がつきました。おかげで、論文発表後にスムーズに口述対策の暗記作業に入ることができました。
なお、論文発表までまったく勉強していなかった場合には、細かい法律事項や勘を思い出すだけで数日〜1週間程度はかかったと思います。したがって、西原先生のメールがきっかでキーワード凝縮レジュメや趣旨の暗記をしていなかったら、口述に落ちていたと思います。論文発表から口述試験までは約3週間しかありませんから、「細かい法律事項や勘を思い出す作業」に数日から1週間を費やすのは、極めて大きな損失となります。
(7)最後に
インターネットで偶然に辿り着いたホームページで凝縮塾の詳細を知り、間違った勉強方法の軌道修正を行うことができました。最終合格して感じたことは、私にとって、凝縮塾での講座は「合格に至るまでの道のり」のコンパスとして機能し、また、受験勉強での核として機能したように思います。おかげで、出口の見えなかった迷路から抜け出し、私のような者でも合格することができました。この合格の喜びを一人でも多くの人に味わってもらいたいと思い、稚拙な表現ではありますが、私の正直な感想や気持ちを述べさせていただきました。私の合格体験記が皆様のお役に立てるのであれば幸いであります。

T.Yさんよりレジュメをどのように使っていたか写真をいただきました。
丁寧な説明もいただいていますので、ご参考にしていただければ幸いです。
■はじめに
レジュメを使い込んでくるうちに、自分にしか使い方が分からないような「グチャグチャ」な内容になってしまっています。
まさか紹介するとは思っていなかったものですから、かなり分かり難いと思いますが、何卒ご容赦ください。
■使い方の概要(使い方(特実1)、使い方(意匠1)、使い方(商標1))
キーワード凝縮レジュメは、電車や狭い喫茶店でも勉強し易いようにするため、B5に縮小コピーして使っていました。(※注:現在はB5サイズで提供しております。)
縮小した凝縮レジュメは、特実・意匠・商標の3つに分けていました。
凝縮レジュメを『核』として、自分が弱い知識や足りない知識を継ぎ足していきました。
これにより、凝縮レジュメの記載がベースとなって知識が派生していくレジュメとなりました。
書き込みはアンダーラインがほとんどで、法律事項の書き込みは少ないです。
■特実部分の使い方の一例

【使い方(特実1)】
キーワード凝縮レジュメの特実部分をB5に縮小コピーしたものを、いつも持ち歩いていました。(※注:現在はB5サイズで提供しております。)
追加資料を後で簡単に差し込めることができるように、バラした状態の凝縮レジュメの上部をクリップでとめていました。
追加資料とは、主に、「凝縮塾の講義ノート(の全部)」「凝縮塾の模範解答(の全部)」「受験新報No.48の論文作成定義カード集(の全部)」「他予備校の答練会での模範答案(の一部)」「判例(の一部)」「その他自分で作ったフローチャートや資料など」です。

【使い方(特実2)】
キーワード凝縮レジュメへの書き込みは、赤色のアンダーラインがほとんどで、法律事項の書き込みは少ないです。
自分が毎回忘れる箇所や、重要箇所については、アンダーラインだけではなく、ポストイットを貼り付けたりしました。

【使い方(特実3)】
例えば、キーワード凝縮レジュメの「並行輸入」が記載されたページの後ろには、「並行輸入」に関する講義ノートが差し込んであります。
これにより、判例の暗記と同時に、論文での判例の使い方・書き方を復習することができました。
【使い方(特実追加1)】
さらにその後ろのページには、他予備校の答練会でもらった「並行輸入」関係の模範答案を差し込みました。
論文での重要判例(並行輸入など)の書き方に不安があったので、真似できると思った他予備校の模範答案を差し込んでおきました。
このような研究が本年の特許で役立ちました。
【使い方(特実追加2)】
さらにその後ろのページには、「受験新報No.48の論文作成定義カード集」の特実の侵害関係のページが差し込んであります。
この受験新報のカード集の差し込みは、来年の論文試験のために8月から9月にかけて行ったものですが、今年の口述の勉強で非常に役に立ちました。なお、この受験新報のカード集は、誤記や省略記載が多かったので、多くの事項について青本を確認し、必要に応じて自分で修正したことが勉強になったといえます。
■意匠部分の使い方の一例

【使い方(意匠1)】
前述の特実と同様に、キーワード凝縮レジュメの意匠部分をB5に縮小コピーしたものを、いつも持ち歩いていました。

【使い方(意匠2)】
キーワード凝縮レジュメへの書き込みは、赤色のアンダーラインがほとんどで、法律事項の書き込みは少ないです。


【使い方(意匠3,4)】
例えば、キーワード凝縮レジュメの「部分意匠」が記載されたページの後ろには、「部分意匠」に関する講義ノートが差し込んであります。
これにより、部分意匠の要件等の暗記と同時に、論文での部分意匠の書き方を復習することができました。
■商標部分の使い方の一例

【使い方(商標1)】
前述の特実・意匠と同様に、キーワード凝縮レジュメの商標部分をB5に縮小コピーしたものを、いつも持ち歩いていました。

【使い方(商標2)】
キーワード凝縮レジュメへの書き込みは、赤色のアンダーラインがほとんどで、法律事項の書き込みは少ないです。

【使い方(商標3)】
例えば、キーワード凝縮レジュメの「4条1項15号」が記載されたページの後ろには、同号の審査基準のコピーが差し込んであります。
さらにその後ろのページには、「受験新報No.48の論文作成定義カード集」の4条1項各号関係のページが差し込んであります。

〔受験歴〕
[1]年齢:39歳
[2]会社員
[3]受験期間:H16年から
[4]短答受験回数:5回
[5]論文受験回数:6回
[6]口述受験回数:1回
[7]2009年最終合格
[8]受講講座:凝縮論文対策講座 プレミアムコース(2007年 直前期)、電話口述模試 2009年
〔感想〕
1)論文合格まで
私は、2007年に凝縮塾を受講し、受講感想No.1として感想を寄せさせて頂いておりましたので、その後の話から記載させていただきます。
結局、2007年は論文不合格という結果に終わったのですが、自分の手応えとは正反対で特実のみ合格点となっていました。凝縮塾の受講の結果として、特実で初めて合格ラインを超えたという事実は事実なのですが、なぜ自分が不合格となってきたかのかについてはさらに昏迷度が増すことになってしまい、そのため凝縮塾の受講が目的達成のための選択として正しかったのかどうかということも、その時点では判断できませんでした。このように自己評価と結果が相関していない状況では、勉強を継続しても無駄な努力になりかねず、家族を犠牲にした上、自分の人生も浪費することになるのではないかと考え、本試験の直前以外での勉強や受験機関の受講を一切止めてしまいました。
2008年の試験は、短答の勉強を3週間ほどまえから過去問を中心に復習した程度で53点という結果でした。論文は、短答後に2007年に受講した凝縮塾講座を復習したり、本試の過去問で答案練習したりした程度で、質量ともにたいした勉強はしなかったように記憶しています。論文の本試では、勉強量の割には思った以上に書けたという実感がありましたが、結果は不合格でした。この結果自体は、妥当な結果かと認識していました。
2009年の試験は、短答免除ということもあり、論文試験の1週間前まで一切勉強していませんでした。実は、論文試験の2週間前に引越しをしていて、勉強用の資料を段ボールから出してきたのが論文試験の1週間前というような状況でした。その後も家の中の片づけを優先していたりしたので、凝縮塾のレジュメを見直すのと改正法を確認したぐらいで論文試験を受けに行きました。答案練習もしなかったので、最後に書いた答案が1年前の本試験という状態です。実際の試験では、論文の書き方など少し忘れてしまっていますし、知識もうろ覚えのところが多い状態でしたので、法文集をよく確認した上、形式にあまりこだわらず質問にストレートに解答を記載したように思います。また、法文集をよく確認していたので、時間的なこともあり、うろ覚えのところは思い切って記載しないようにしました。そのため記載量は多くなかったと思います(自分の例年の記載量からすると7〜8割程度)。その結果、期待もあまりしていなかったのですが、論文合格をしていました。今から振り返ると、逆にこのような対応がよかったのかもしれません。短試免除であり、直前に細かい知識がインプットされすぎるという弊害がなかったことも影響しているように思います。結果的に、他の講座や受験機関は利用せずに、2007年に受講した凝縮塾のレジュメをその後の2年間も利用し、たいした上積みの勉強もせずに合格することができたので、凝縮塾の受講は間違いではなかったと考えています。もう少し早く合格できたのではという思いもなくはありませんが、これは講座側に原因があるというよりは、私自身の問題だったように思いますので、この体験談が同じ状況に陥っている方に少しでも参考になればと考えています。
2)口述試験の勉強について
上述のような状態で、予期せぬ論文合格を果たしてしまったので、口述試験対策は苦労しました。最近の口述試験では条文を暗記しておく必要があるという話を耳にしたり、今年は論文合格者が多かったこともあり昨年度にもまして大量の不合格者が出るのではないかという噂を耳にしたので、この状況で普通に口述試験を受けたら必ず不合格になるという危機感を強く持ちました。そのため、論文合格から口述試験までの約3週間は、家族の協力の下、猛勉強モードにすぐに切り替えました。そうは言っても、わずか3週間それも働きながらですので、出来る事には限界がありましたが、具体的な内容を以下に説明します。
@まずは、近年の改正法を改正本等で再確認するのと(私にとっては、改正法の勉強量が絶対的に不足していたので)、手元にあった数年前の口述過去問集を読み返しました。その間に最新の口述過去問集を2種類入手しました。口述過去問集は2種類以上入手するのがお勧めです。過去問集には、どうしても少なからず誤記や間違った記載がされていることがあります。また、過去の受験者による再現をベースにして作成されていますので、試験官の質問の意図がよくわからない記載も見受けられます。このような場合に、別の口述過去問集で確認できれば、時間の節約が可能になります。さらに、同じ日の同じテーマの試験でも、バリエーションがあったり、コアの質問と合否には直接関係なさそうな付加的な質問があったりすることも認識できます。最終的には過去3年分を2回、過去4年以上前数年分を1回読みました。
A青本は3回読みました。内訳は、2回は精読で、1回は確認です。
B意匠と商標の審査基準を1回精読しました。特に、図などの具体例を頭に残すことに留意しました。特許の審査基準は見ませんでした。
C他の受験機関から出されていた口述用の一問一答を音声ダウンロードし、通勤時や外出時に常に聞いていました。最初の頃は聞き流すだけでしたが、1週間前からは1問毎に質問で一時停止し、解答を頭の中で思い浮かべてから解答を再生し確認、不正解の場合はやり直しという方法を取りました。
D口述模試は、論文合格発表後の申込み手続に出遅れたこともあり、会派のものは受けていません。また、あまりにもインプット不足の状態だったため、論文発表約1週間後あたりの口述模試は申し込みませんでした。最初に受けたのは、模試ではありませんが、他の受験機関の道場形式の講座でした。次に(論文発表約2週間後)、西原先生の電話口述模試を受けさせて頂きました。その翌日、2つの受験機関で午前と午後1回ずつ口述模試を受講しました。この段階では、出来にムラがあり、条文どおりの解答を求められたり、条文の番号を聞かれると解答に窮したりしていました。また、法文集を参照して、読み間違えたり、該当箇所が見つからなかったりして、逆に失敗するというようなこともありました。口述試験が始まってから、自分の試験日までの間にも、1回口述模試を受けました。この最後の1回は、感覚を維持する目的だったのですが、自分でも満足できる出来だったので、このままでは必ず不合格になるという当初の危機感が和らぎ、このまま頑張れば大丈夫なはずという少しばかりの自信を与えてくれました。トータルで、道場1回、口述模試4回受けたわけですが、頭が半分真っ白になるという経験をしたのは最初の道場の時だけでした。これらの模試を受けた際には、口述に関する様々なアドバイスを頂くこともでき、詳細は割愛させて頂きますが、有意義なアドバイスを頂けたと思います。また、口述模試を数多く受けることは、単に場慣れできるだけではなく、出来た箇所も出来なかった箇所も強く印象に残るので、そのテーマが確実に潰せるというメリットを感じました。なお、口述模試では、マイナーなテーマの際など、試験官の方が誤認識をしていることがありました。模試中は、試験官の方が間違っていたなどとは夢にも思っていなかったので、かなり混乱しましたが、何とか軌道修正して話の流れに乗りなおすことができました。実際の本試験でも、過去には試験官の方が間違えていることもあったように聞いたことがありますが、短い時間の中でそのことを理解してもらうことはまず不可能ですし、当然自分の勘違いという可能性も少なくないわけですから、上手く話の流れに乗ることがいかに大切かを実感しました。
E条文の暗記については、元々暗記が苦手なのと、時間的に広く網羅するのは無理なので、短い条文と重要そうな条文に限定した上、暗記だけを行うのではなく、他の勉強等と併せて、条文毎にその都度、暗記を試みることにしました。それも1度に暗記を完成させるのではなく、暗記が完全でなくても他の勉強へ移り、次にその条文に関連する問題やトピックに当たった際に、再度、暗記の確認をするということを繰り返しました。条文暗記については、最初から可能な範囲でと腹をくくっていたので、暗記すべき条文と考えていても、完成しないまま試験に臨んだ条文が少なくありません。一方、条文の番号は、試験の直前2日間で無理やり頭に叩き込みました。
F凝縮塾の論文用レジュメと過去に自分でまとめておいた資料には、復習、再確認的な意味合いで数回目を通しました。
Gまとめ:勉強の中心は青本、過去問、口述模試であり、憶えている限りでは基本的に上述の勉強しかしておらず、論点や判例等の確認や短答用テキストの読み返しなどはしていません。また受験生同士での問題の出し合いや妻に問題を出してもらうといったこともしていません。
3)口述試験について
自己評価では、特実B-、意匠B+、商標Aですが、厳し目に見れば、特実はCだったかもしれません。
特実は、前の受験生が、2度や3度ではなく、無数に(おそらく7、8回)ベルを鳴らされていたので、覚悟して試験の部屋に入りましたが、優先権についての質問でした。
要件の1つがどうしても出てこず、最後は”法文集を確認されたらどうですか”と試験委員に促されて、解答しました。その後、自己指定に関する質問が出され、PCT8条2(b)が根拠と解答したのですが、”条文の番号を挙げれば良いわけではなく、PCT8条2(b)に何が書いてあるかが問題です。条文どおりに内容を説明してください”と言われてしまい、答えに窮してしまいました。いろいろと説明はしたのですがキーフレーズがでてこなかったようで、この質問は飛ばされて次に質問に移りました。1回目のベルが鳴ったあたりで用意されていた質問が終わったらしく、”先ほどの問題に戻ります”と言われ、”この問題に解答できなければ、合格させません”と主査の方に宣言されました。さっさと法文集を見ればよかったのですが、そのような雰囲気ではなかったので、そのままいろいろ解答してみたのですが、だめで、見かねた副査の方が助け舟を出してくれました。助け船というよりは、答えそのものだったので、私は最後に”そうです”と解答しただけだったので、主査の方が、”それ答えじゃないですか”と副査の方につっこみを入れておられ、すぐに”これで終わりにします”と言われました。2回目のベルが鳴ったあたりだと思います。キーフレーズは何だったかというと【国内法令の定めるところによる。】だったようで、内容的にはそんなにずれていない解答をしていたと思うのですが、このフレーズが出なかったため、許してもらえなかったようです。後で振り返ると、詰まった2箇所以外はスムーズに解答していたので、Bで留まっているのではないかと考えましたが、部屋を出た直後はC判定が間違いなくつき、後がなくなったと考えていました。ただし、その割には冷静で、これはこれで仕方がないと割り切れていたように思います。
意匠は、内容的に難しくはなかったのですが、条文を条文どおりに説明してという質問が2、3あり、そのうちの1つで、ほとんど合っているんだけど微妙な表現が少し違う、大事なところだから言い直すようにという指示を受けたところがあり、解答し直しても、不満そうだったので、今回はさっさと法文集をみさせてもらい、解答しました。
商標は、ほぼパーフェクトな解答ができたと思います。時間もかなり余り、”はい、いいですよ”みたいな終わり方だったので、終了したことに気付かずにいたら、”よく出来ています。大丈夫ですから安心してください”とまで声をかけてもらうことができました。
4)最後に
思い返してみると、この3年間は試験前に、必ず凝縮講座のレジュメを活用させて頂いており、今ではすっかりボロボロになってしまうまで使い込ませていただきました。西原先生にも、論文対策講座受講の際に、電話やメール等での質疑で大変お世話になったにもかかわらず、その後連絡もせず、今年の論文発表後、突然またお願いするという身勝手をさせて頂いたにもかかわらず、丁寧にご指導頂き、感謝の言葉もありません。この場を借りて、再度、お礼を申し上げます。
最後に、現在受験生の方で、お悩みを持たれている方にとって、この体験談が少しでも役立つものであれば幸いです。
以上
※注:Nさんには、以前受講感想も書いていただいています。その受講感想は、こちらからごらん下さい。
→〔Nさんの受講感想(2007年受講感想No.1)へ〕